今年も稲刈りが終わり、そろそろ新米が出始める時期となりました。
さて本日は「豊受大神」様についてお話したいと思います。
豊受大神(とようけおおかみ)は、三重県伊勢市に鎮座する「神宮」の外宮(げくう)にてお祀りされている神様です。
天照大御神様の、食事を仰せつかっている神様であるとともに、我々に衣食住の恵みを授けて下さいます。
当宮では、末社の豊受社にてお祀りしております。お社の手前に二つの石柱が立っており、それには食べる前と食べた後に恵みに感謝をする和歌が彫られています。
書かれている歌は「食前感謝」「食後感謝」の和歌といい、江戸時代に古事記や日本の古典を研究していた本居宣長(もとおりのりなが)という国学者が作詞しました。
「食前感謝」(いただきますの和歌)は
「たなつもの 百(もも)の木草(きぐさ)も 天照(あまてら)す 日の大神の 恵みえてこそ」
「食後感謝」(ごちそうさまでしたの和歌)は
「朝よひに 物くふごとに 豊受の 神のめぐみを 思へ世の人」
という歌です。
これは
「食前感謝」
お米や穀物の恵みは、天照大御神の恵みのおかげです
「食後感謝」
その日一日のご飯を食べるとき、豊受大神様の恵みである事を皆さん忘れてはいけませんよ
という意味です。
穀物が稔り、食卓に上がり、こうしてご飯を食べられるのは天照大御神、豊受大神という神様の恵み・おかげである事への感謝を歌った和歌なのであります。
実際に稲や農作物を作るのは、お百姓さんや農家の方ですが、お米が稔ったり野菜が生育できる環境を作ってくださるのは自然の恵みがあってこそ。
つまり、「いただきます」「ごちそうさまでした」というのは、自然の恵みを初め、稲を作ってくれるお百姓さんや野菜を作ってくれる農家の皆さんへの感謝をあらわす大事な言葉なのです。
皆さんもご飯を食べる前に、食べ物と、それらを作ってくれる方々へ感謝の気持ちで「いただきます」「ごちそうさま」と言ってみましょう。
きっと、いつもよりご飯が美味しく感じますよ。
※一番上の写真は亀ヶ池八幡宮でご祈祷を受けられた方々に、ご神饌として頒布しているお米になります。