お昼前から爽やかな秋晴れとなりましたね。境内は秋晴れの下、風が葉っぱを揺らす音や鳥の鳴き声が聞こえ、落ち着いた雰囲気となっております。

さて、本日は氏子の上溝元町にてお祀りされている観音様についてお話したいと思います。

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観音様という仏様は、日本各地で篤く信仰されており、苦しみや災難にあっても、その名前を唱えれば必ず救ってくださると言われている仏様です。
「観音」の名前がつく仏様では、千手観音・十一面観音・馬頭観音などがありますが、これらは「正(聖)観音」様が様々な状況に応じて姿をかえたものである、と言われています。

さて、この観音様は行基というお坊さんが彫った観音様で「正観世音菩薩」と言い、毎年10月9日・19日・29日が縁日とされています。
宝暦9(1759)年ごろ、この近くを旅のお坊さんが通りかかり、養蚕をしている一見の農家に一夜の宿を求めました。
すると、その家の夫婦は快くお坊さんを泊め、篤くおもてなしをしました。
お坊さんはその優しさに心を打たれ、背負っていた包みを解いて「こちらは観音様です。大切にお祀りすれば、養蚕や安産のご利益を与えてくださいます」と夫婦に渡しました。
それが、この元町の観音様と言い伝えられています。

また、元町の観音様は「卯年観音・うどしかんのん」とも言われており、卯年の4月1ヶ月間は厨子の扉が開かれ、拝観できます。