今年の例祭に神楽殿にて舞われた、亀山社中の仮面黙劇は「三番叟付五人囃子」「天孫降臨」「山神」です。

「三番叟付五人囃子」
この舞は、めでたい舞踊を行う場を清めるとともに、お祝いをするための舞踊です。

P1040954.JPG P1040962.JPG
この舞人が三番叟 こちらが五人囃子

まず、三番叟が四方八方を舞い、足を踏みしめ所作で悪鬼・悪霊を鎮めるのです。お相撲の四股と同じ意味があります。
一しきり、四方八方を舞い清め、そして鎮める所作を行ったのちにコミカルな五人衆の楽によって舞踊の幕開けを祝い、皆さんに喜びごとや幸せが訪れるように祝福します。

P1040988.JPG P1050012.JPG

こちらは神楽舞(仮面黙劇)です。今年は「天孫降臨(てんそんこうりん)」です。
この天孫降臨という神話は、天照大御神のお孫さんである「邇邇芸命(ににぎのみこと)」が、神様の住む高天原(たかまのはら)より、我々が暮らしているこの地上世界に降り立ち、地上をお治めになられるまでのお話であり、私たち日本人とお米にまつわるお話です。
天照大御神のお孫さんが降臨されるということで「天孫降臨」と言うのです。

この邇邇芸命は天照大御神より「私達がこの高天原で食べているお米を地上に広めなさい。そして「葦原のように、稲穂が瑞々しく豊かな国」という意味で「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)」という
名前をつけなさいとの言葉とともに、稲穂を授かりました。

そしていよいよ邇邇芸命は地上に降り立つ事となりました。

天照大御神はまず、先導として使いのものを派遣しましたが、すぐに引き返してきました。
何でも道中に恐ろしい形相の者が立ちはだかっていると言う事でした。
どのような者なのかと問うと、鼻が高く真っ赤な顔でらんらんとした目をした怖い顔人物だと言うのです。
そこで今度は天宇受売命(あめのうずめのみこと)という女神様を派遣しましたところ、件の怖い顔をした人物は「猿田彦命」神様で、邇邇芸命が降臨されると聞き、道案内をすべくこの場所に立って待っていたという事でした。

P1050032.JPG

邇邇芸命は早速身支度を整え、猿田彦命のもとへ向かいました。
その際には天照大御神が天岩戸開きに尽力した神様達が同行することとなり、猿田彦命の先導のによって天孫降臨は恙無く遂行される事となったのでありました。

その後、猿田彦命と天宇受売命は結婚し宇受売命は猿女君(さるめのきみ)と名前を変え、神楽やその他の舞踊の始祖となりました。
猿田彦命は、道案内を行ったという事から道祖神として道端に祀られたり、交通安全の神様・導きの神様として日本各地の神社に祀られるようになりました。

という内容の神代神楽が行われました。