今日は春の日差しを感じさせる、穏やかな一日でした。

さて、ここ数日「井戸埋めの御祓い」が重なりました。
相模原市には農家や旧家が沢山あり、お家の御祓いでお伺いしますと、お台所に荒神様をお祀りされてあったり、敷地内にお稲荷さんのお社などがお祀りされていることがあります。
特に井戸を使っていた(若しくはまだ使っている)お家が多く見受けられます。

井戸は古くより神聖なものとして扱われてきました。水は命の源であり、不浄や罪・ケガレを清める力があると考えられています。
神道では、大きなお祭を行う際には、「禊・みそぎ」と言って古式に則った作法を行った後に水を被ったり、水を湛えた水場に浸かり、心身のケガレを清めます。

ですので、水、そして水を湛える井戸は非常に神聖なものなのです。

今では、井戸は水タンクに。水を汲むための釣瓶は蛇口に取って代わりました。大変便利な世の中になりました。(当たり前の様に日々を過ごしがちですが・・)
諸事情により、井戸を埋める際には、無碍に埋めるのではなく、心を込めて感謝を申し上げるお祭りを行うのです。
水神様として井戸にお宿りされている神様は「水波売(みずはのめ)神」「大井神」「長井神」という三柱の神様です。この三柱の神様に井戸を埋めるご報告と感謝を申し上げるお祭が「井戸埋め祭」です。

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ちょっと判りづらいかと思いますが
祭壇の奥に息抜きの穴が見えます(写真左) 
地形によっては井戸の正面に祭壇が組めないこともありますが、「井戸埋め祭」の様子です(写真右)

まず、井戸に注連縄をはり、清め、私達が御仕えしている八幡大神様、その土地を守護している大地主神様、そして水神様をお呼びして祝詞を奏上し、玉串をお供えして、神様にお帰り戴き、式を終え、お神酒を頂戴いたします。
その後、改めて井戸の前に趣き、大麻と切麻で丁重に祓い清めた後に水神様の御札を鎮めて井戸埋め祭は完了となります。

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井戸の跡地を祓い清めます

また、中には既に井戸が埋められており、息抜きような筒が立てられている場合もありますが、そのときはその場所に盛り塩をし、榊を立てて最後に水神様の御札を立てて井戸埋めといたします。