本日は暦についてのお話です。

暦というのは所謂カレンダーの事ですが、神社で暦といえば一年の運勢や方角の吉凶、歳徳神や神社・お寺の行事、お祭の日などが書かれている小冊子を指します。

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暦は平安時代、陰陽師が所属する陰陽寮(おんみょうりょう)という部署が監督・発行している具注暦(ぐちゅうれき)が始まりと言われています。
この暦は、大安・友引などの六曜や、占術、恵方に始まる方位の吉凶やその日その日の吉凶、良い神様・厳しい神様の事柄などが事細かに書かれておりました。
陰陽師の仕事は物の怪退治や占いだけではなく、天体観測をして星の動きを見て暦を作成してました。

それをベースにした暦は江戸時代になると一般庶民の間にも広まり、暦を読めることがステータスとなっていきました。

明治時代になると、旧暦からグレゴリオ暦が採用され、中身も変更されました。
六曜・方位の吉凶などはそのままでしたが、その日その日の吉凶や諸々の神様の事は削除・編集され、農耕や漁業・園芸等に関する事柄が書かれるようになり、後々現在のような暦となりました。

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今でも、暦のページを開いて2ページめには今年が何年であるのか、とか恵方・方位の神様などについて書かれているのは、陰陽師が作成した暦の名残です。